フルカラー印刷の攻撃性について

フルカラーステッカーは、ソルベントインクという溶剤系のインクで印刷します。このインクはメディアへの攻撃性が高く、塩ビメディアの場合必ず収縮します。その収縮の状態を画像で説明します。

収縮が現れたステッカー画像

この画像が激しい収縮が現れたステッカーです。製作からわずか1カ月で、ハーフカット部分の口が開き始めました。使用したメディアは屋外看板用の塩ビメディア国産メーカー品で、品質的には中レベルのメディア。決して粗悪品ではありません。撮影自体は製作から1年半が経過していますが、収縮は止まっています。不思議なのは外周部の収縮が少ないこと。激しい収縮はハーフカット部分のみに発生しています。

このステッカーは販売品であることから、すぐに別のメディアで製作し直しています。当店では、看板用メディアを使用したのはこのときのみ。通常は、ステッカー専用の国産メディアを採用しており、ここまで激しい収縮は起きません。考えられる要因は、看板製作用途のメディアは、ステッカー用途として使うことを想定していない、これに尽きるでしょう。屋外に放置する看板に、ステッカーのような切れ目は入れません。看板全体は収縮しますが、背面に巻き込んでいるため、表面に影響はでないのです。

ちなみに、看板用メディアの見分け方は、裏面の色です。糊面といいますが、ここがグレーもしくはシルバーの場合は100%看板用メディアです。ステッカー専用メディアにはこのようなカラー糊は存在しません。画像のようなハーフカットを施すステッカーを製作予定の場合、糊面のカラーチェックは忘れずに!

クリックで拡大表示します

収縮対応メディアの実験

看板専用メディアで痛い目に遭いましたが、ステッカー専用でも収縮はゼロではありません。そこで、資材仕入れ先に「いっさい収縮しないメディアを探せ!」の号令を出したところ、担当営業さんが見つけてきました!そのメディアを使った商品が下記の画像です。製作から半年経過しましたが、大きな収縮は起きていません。ハーフカットを入れるステッカーを製作予定の方は、このメディアを必ず指定して下さい!

クリックで拡大表示します